毎年ご好評頂いております門出和紙カレンダーの2021年度版が完成いたしました。
門出和紙で漉いた紙に、当工房の村田仙三さんの型絵染をもとに1枚1枚シルクスクリーンで刷っております。
高柳の風や土や人がやんわりと匂ってくるような作品になりました。
「高柳の風景」シリーズは郷土の誇りでもあります名勝「貞観園」です。
「高柳ものがたり」シリーズは本年より新しく始まりました。
季節のなりわい、農具などを追いかけるシリーズで、本年度は「冬仕度」になります。
代表 小林康夫
「高柳ものがたり」シリーズ「冬仕度」
霜月中頃ともなれば、あの懐かしい初雪が一夜にして白い世界に一変するかもしれない。
世話しい季節、村人は冬仕度に追われます。
夏小屋をたたみ、樹木をいたて白菜や大根をとる。
この時八割程にとどめ残りはそのまま雪に合わせてから順次収穫する。
寒さによる糖分の変化が甘みを増してうまくなるのだ。
この季節の野菜ほどうまいものはない。
自分が子どもだった頃は大根、にんじんなど稲わらを編んだノマですっぽり覆い、雪の中時折、下部の穴より取り出して食べていた。
大根の葉は刻んで桶に入れ水漬けして、鶏の餌にしていた。
たくわんにする大根はしばらく軒先などで干して、クタクタになってから漬け込むと味が深くなる。
そのまた昔は囲炉裏の火棚に吊るし干したものはほんとうにやせ細る。
シワシワになりクタクタになるがそのぶん味は濃厚。
また煙によるほのかな苦みも格別な味わいになり、夏のお盆頃まで長持ちする。
東北ではなんでもいぶりがっことか言っているらしい。
「高柳の風景」シリーズ「貞観園」
門出のお盆踊り「しっちょいさ」の中に
~ 岡田、岡の町は、とえんどうの娘……妹、二、八(十六才)~
と唄われている娘さんは貞観園、村山家から嫁いだ新潟市の北方文化博物館の伊藤文吉氏のお母さんです。
伊藤氏は立派なひげ、風貌の個性的、越後を代表する国際人でした。
当地域の大庄屋村山家は子どもの頃から近寄りがたいものを感じておりましたが、時代も変わり現当主は気さくで温和な方です。
なんといっても心字池をめぐる数々のお茶室と季節における苔の美しさが特徴の貞観園です。
十数年前から建物の修復が順次進められ、それに伴うお茶室の壁紙修復に門出和紙も関わらせてもらいました。
昨年は数回に渡り見学会、勉強会が催され、貞観園も身近になっております。
コロナ禍の中、一服の心の清涼を味わって頂ければとおすすめします。
貞観園とは天保十四年(1843年)儒学者、藍澤南城先生が時の一節より「貞観」を引き出し命名したもので、文化財保護法で「名勝」に指定された文化財の庭園。
上:冬支度 下:貞観園
サイズ大:62cm×46cm 各種1枚 1,800円(税別)
サイズ小:45cm×30cm 各種1枚 1,200円(税別)
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