門出和紙と型絵染
型絵染で人間国宝でもあった故芹沢銈介氏の最後の弟子が村田仙三さんです。
工房の閉鎖後、当工房で三十年余り紙漉き職人として屈指の紙も漉いてきましたが、工藝界の重鎮故柳橋眞先生から「彼の作品は稀な作品であり、特に構成が素晴らしい。なんとか彼に作品を作らせたらいい。自分も協力を惜しまない。」と云っていたことがずっと気になり、彼が還暦を迎えた時から職人から作家の仕事をと考えておりました。
そうして本年より少しずつ作品作りに取り組み始めたところです。楮畑やら諸々の仕事に追われながらですが、今回年末常習犯のカレンダーを少し早めに制作したものです。
原版の型絵染(140cm×75cm)を自らシルクスクリーン印刷したもので、大きさも今回より大、小二種類制作してみました。
どうぞお部屋に村田仙三の高柳の風土季を飾っていただければ幸いであります。
A 62cm×46cm 各種1枚1,800円
B 45cm×30cm 各種1枚1,000円
(税込み価格)
※お買い上げ枚数で価格をお安くいたします。
Aサイズのみ5枚~ 1,400円
10枚~ 1,300円
20枚~ 1,260円
朝靄 あさもや
紙漉き職人の仙三さんは、いつも使う漉簀を露の濃淡の道具としても使用し、その漉簀のヒゴの太さを変えることで露を表現している。印刷物は点の集まりでその輪郭や濃淡を表すように、自ら毎日仕様している紙漉きどうぐを使うところが彼らしい真骨頂である。
それにしても型紙原紙を切り刻み、ヒゴの太さを微妙に変える技や集中力には敬服する。
下部の水田は門出「鶴間(つるま)」あたり。朝の陽の光が水田、露を照らしている。
型絵染原判(75×140)ではその表現がよく映し出されているが、少し遠くから見た方が顕著だ。シルク印刷ではその表現が薄っぺらになっているのが、少し残念である。
早春
雪残る我が家の居間からの風景で六五年間、春夏秋冬日々見続けてきた自分にとっては心、中ど真ん中の景色です。
作者の仙三さんも二八才初めて弟子入りしたころは、二階に住み込んでいたので彼にとっても慣れ親しんだ風景であろう。
冬を絞り出し、春が育ち始めた水田の畦道はやや緑が生れ、その上を丸みを帯びた残り雪が覆っている。雪解けの鯖石川は水かさを増し、うねるように下っていく。屏風を立てたような切り立った崖が蛇行しながらつづらの川を二重、三重と重なり奥まっていく。
降り積もる雪景色のときは、手前の川柳の大木に白い花を咲かせ川を横たわる「島田の橋」にも情緒があり、雪舟の墨絵を連想させる神秘の風景にも化ける。
我が心の風景でもあります。
名入れのお勧め
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■横書き30cm×7cm
型代 5,000円※初回の版費用
刷り込み1枚あたり300円~
20枚から受付致します。
その他詳細につきましてはお問い合わせください。
越後 門出和紙
代表 小林康夫
新潟県柏崎市高柳町門出2851
TEL:0257(41)2361
FAX:0257(41)3024
mail:info@kadoidewashi.com
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