型絵染(原画) 村田仙三作
2025年、仙三さんの型絵染(原画)カレンダーは「桃源郷」
我々の住む処、門出集落がぽっかり桃源郷になっている。直線にして3km程の山の頂きに近い清水集落から見下ろした風景とか。
昔、我が家も二代続けて嫁に嫁いでいるので自分のルーツが幾分残っている集落だ。
清水から見える門出は広々とした平野の中に田んぼが広がっているように見える。
しかし、清水の棚田は集落の下に伸びて、すべての農作業が背中に頼る難儀な場所である。その集落の親たちは娘を門出に嫁がせたいと願っていたという話を仙三さんに言ったことがあった。
山々にへばりついた棚田や雑木林に覆われた山々を細かな線描で彫り込んだ、仙三さんらしい作品だ。
斜面の家々をつなぐ冬道には目印に雪竿が所々あった。かんじきで踏み固める一筋の道も風で吹き飛ばされるからだと聞いた。
そんな集落からすれば、ほんの少しだけ斜面がなだらかな門出の家々も桃源郷になるのか・・・。住めば都である。2025年、身近に身近に飾って頂ければ幸いであります。
越後門出和紙 代表 小林康生
< 前の記事 | 記事一覧 | 次の記事 > |