門出の生活

撮影:中村圭希

門出の春は、ブナの芽吹きから始まります。雪解けの後、茶色だった山々に緑がよみがえる光景はここに住む人々に待ちに待った春がやってきたことを知らせてくれるようです。山の幸である山菜がここでの豊かな食生活を支え、田植えの季節になると集落がにわかに動き出し、やがて新緑の季節を迎えることになります。
  • 新緑のブナ林 撮影:中村圭希

  • 門出和紙の田植え風景

  • 採れたてのウドの味は抜群

撮影:中村圭希

門出の夏の暑さはなんぎいものですが、稲や野菜が最も育つ時期です。農作物や自然の植物のたくましい生命力を感じることのできる季節でもあります。毎年7月15日に近い土曜日に行われる黒姫祭りは、高柳の総鎮守である黒姫山を祭ったお祭りで、伝統の稲虫送りは門出地区内外から多くの子どもたちが参加します。そしてお盆が過ぎ、北から涼しい風が吹く頃に実りの季節を迎えます。
  • ホタルがとびかう田んぼ 撮影:中村圭希

  • 稲虫送りで稲の害虫を追い払う

  • 盆踊りで輪になって踊る

撮影:中村圭希

門出の秋は、黄金色に染まった稲穂と紫の萩の花が集落を彩ります。稲刈りが無事終わると、その年の農作物の豊作に感謝して門出神社で秋祭りが行われ、集落みんなで門出の秋の味覚をわかちあいます。
やがて紅葉が進み、葉っぱも落ちて晩秋も深まった頃、集落に冬の気配がしてきます。
  • 稲刈り後、稲架(はさ)に稲をかける

  • 晩秋の門出 撮影:中村圭希

  • 秋祭りでの奉納もちつき

撮影:中村圭希

門出の冬は長いです。12月に入る頃に初雪が降り、年によって差はありますが、2月も過ぎれば2mから3mほどの雪にすっぽりおおわれます。それでも、除雪車のおかげで日々の生活道路は確保され、隣近所同士除雪を助け合いながら、雪と共に暮らしています。
3月も半ばを過ぎれば晴天の日も多くなり、寒い朝は固くしまった雪の上をかんじきなしでも歩くこともできます。待ちに待った春まであともう少しです。
  • 大雪の降った大晦日の門出神社 撮影:中村圭希

  • 小正月の行事「鳥追い」

  • 門出での冬の生活を支えてくれている除雪隊