風土の紙を育てる

門出和紙は「風土の紙を育てること」を基本理念としています。そのため、当工房の新人は、1年目は、楮の栽培から収穫、加工までの一連の流れを仕事として1年かけて実際に体感してもらいます。また、地域の行事や人との交流といったここでの暮らしを通して、「風土の紙」の理念を学んでもらいます。

当工房では全てのスタッフが、紙煮やビーターがけなどの原料加工の仕事と紙漉き、乾燥などの製造の仕事をローテーションで交代で行っています。そのため、紙作りに関する一通りの技術を身につけることができます。

現在当工房でもっとも多く漉かれている紙は、朝日酒造株式会社様の日本酒「久保田」の各種ラベルです。新人は、まずはラベル用の紙を漉けるようになるようになってもらいます。これまで紙漉きの経験がない方でも一から丁寧に先輩スタッフが指導する仕組みが整っています。

紙漉きのやり方にマニュアルはありません。もちろんある程度の基本の「型」はありますが、漉き手の身長や体格、漉く紙の種類により適切な漉き方は様々で、その都度自分にあった漉き方を身体で覚えていく必要があります。

紙漉き以外でも、習熟度や適性に応じて、商品の販売促進業務や新商品開発、和紙の需要を広めるためのワークショップの運営などの仕事に携わってもらうこともあります。

門出和紙の掲げる職人像は「これまでの伝統をしっかり守る紙づくりと、時代に合わせて柔軟にカタチを変えていくことのできる職人」「風土(地域の人・自然)に根差し、根っこのある紙を理解できる職人」です。門出和紙の理念に共感し、風土の紙を漉いてみたいと思われた方、ぜひ私たちと一緒にこの門出で新しい伝統を作っていきましょう。

朝日酒造株式会社様 日本酒「久保田」ラベル

昭和60年「久保田」誕生当初から門出の和紙が使われています。

門出和紙のオリジナル商品「メッシュ和紙」

金網に和紙の原料を流し込んで漉いたもの。灯りなどの用途に。

「強製紙」

和紙にこんにゃくを塗り、さらに石灰で煮て揉んだ紙。耐久性や強度に優れ、バックや座布団の材料にもなる。

「紙漉き体験」

門出和紙では紙漉き体験、コースター体験など初心者向けに様々な体験を行っている。新しい体験メニューも開発中。